あなたが家を建てるとしたら、何を一番重視しますか?

ー 立地、広さ、日当たり、デザイン、収納の多さ、水回り、環境、価格。利便性が良いほど土地代は高くなり、都心の一等地ともなると坪単価は300万円にも500万円にもなります。

例えば、住みたい街ランキング上位の常連「中目黒」は1坪およそ500万円。東京都内にある一軒家の平均坪数35坪を購入するとなると、土地代だけで1億7千500万円。そこに家を建てるとなると最低でもプラス1千万円。

ー 日当たりが良く、足を伸ばせるバスタブがある家。

ー 憧れの建築家にオーダーしたスタイリッシュな家。

よほどの富豪でもない限り、理想の全てを叶えるには妥協も必要になってくるかもしれません。そして、オーダー住宅の場合、プランニングから始まり、施工、完成までには平均で約1年。とにかくお金と時間がかかります。

一軒家を建てるというのは現実的でないと思った方は、マンション購入という選択肢もあるでしょう。一軒家に比べると、土地代や保険、固定資産税などの費用は抑えられるかもしれません。しかし、オーナーになるということは人生においての一大決心に違いなく、ローンを抱えるリスクも背負わなければなりません。

いずれの場合にも、一軒家やマンションの購入をするタイミングの一つとして多いのは結婚や出産。家族を持ち、マイホームを持つことが、「人生における夢」と考える方も少なくないかもしれません。

あなたは今、誰と暮らしていますか?

ー 両親、祖父母、兄弟、妻や夫、パートナー、友人、ペット

もし、 あなたが悠々自適なシングルライフを送っているとしたら、いかがですか?マンション購入も、ましてや新築一軒家の購入なんて必要がないと考えるのではないでしょうか。

実際に、一人暮らしの多くは賃貸マンションや賃貸アパート。賃貸であったとしても、理想が高ければ高いほど、家賃も比例して高額になってきます。

ー 駅から徒歩10分以内、バス・トイレ別のアパート。

ー オートロックで、宅配ボックス付きのマンション。

物件探しに始まり、保証人を付け、審査を受け、敷金礼金を払い、ガスや電気会社と契約し、家具を揃え、荷造りをし…引っ越しも容易ではありません。持ち家に比べ、費用は格段に安くなりますが、やはりお金と時間は必要です。

あなたは今までに何度引っ越しをしましたか?

日本人が生涯に引っ越しをする回数はおよそ6回。一方、アメリカ人は15回とも17回とも言われています。

この違いはなんでしょうか?

まず一つに、日本人は住宅の購入を「一生に一度の買い物」と考える傾向にあります。理想の家を建て、一生その土地に根付いて住み続けるというのは、古くから伝わる日本人の美徳とされています。

もう一つには、アメリカでは「持ち家=投資物件」という価値観があります。日本と違い、「築年数の経過」と「価格の下落」が反比例することが多いため、物件を購入し数年後に売却し、住み替えを繰り返すというパターンが一般的です。

そして、アメリカ人には「常により良い場所を求める」といった価値観が根付いているのも特徴的です。

ー 今よりも待遇のいい職場があれば、キャリアアップを目指し転職をする。

ー 今よりも住みやすい家があれば、迷わずに引っ越しをする。

日本では、一度就職をした会社に定年まで勤めるというのが一般的な考え方。

献身的で勤勉な日本人、主観的で自由なアメリカ人。その違いはとても大きなものと言えるのではないでしょうか。

「未来的な生活スタイル」とは?

これまでは、日本における「マイホーム」、「賃貸」、「引っ越し」について触れてきましたが、ここからは「未来的な生活スタイル」について触れていきたいと思います。

家族を持ったら家を購入する。一人暮らしならば賃貸。それが現代の日本における「暮らし」の風潮です。

日本に居ながらにして、アメリカ人のように、より主観的に、より自由に暮らせるとしたら?

ー 膨大なお金と時間を使わずに理想的な暮らしを手に入れる。

ー 契約や常識に縛られずに、自由な暮らしを手に入れる。

それらを手軽に実現出来るのが「ホテル暮らし」という未来的な生活スタイルです。

好きな土地に、好きなだけ、体ひとつで暮らしていく。

あらゆるジャンルのものが多様化する現代社会において「暮らし」もそのひとつ。家を持たず、最低限のものだけを持ち、暮らすというのはとても合理的と言えるのではないでしょうか。

「クリエイティブな感性」を研ぎ澄ませる空間

古くは、ココ・シャネルがフランス・パリのオペラ座近くにある「リッツ パリ」のスイートルームで暮らしていたというのは有名な話。

現代では、「ホリエモン」こと堀江貴文氏もホテル暮らしをしており、作家の伊集院静氏も若かりし頃、長年に渡って海辺のホテルを住居にしていました。

ー 世界で最も愛されているファッションブランド「シャネル」のデザイナーでもあり創業者でもあるココ・シャネル。

ー 日本屈指の実業家であり、近年では宇宙開発事業にも携わる堀江貴文氏。

ー 数々の小説を手がけ、紫綬褒章も受賞している直木賞作家の伊集院静氏。

ホテル暮らしを選択した彼らの共通点とはなんでしょうか。それは、世にアイデアを発信する「クリエイティブな感性」です。

「クリエイティブな感性」を研ぎ澄ませるには、「環境」が大事な要素のひとつ。整った生活環境は集中力を高め、よりクリエイティブに、より素晴らしいアイデアをもたらせてくれます。さらに「無駄なものを持たない」という生活は心までを軽くしてくれるでしょう。

あなたは今の生活環境に満足していますか?

一軒家や賃貸暮らしとホテル暮らしとの圧倒的な差は、全てにおいて「身軽」だということでしょう。

ー 沢山の物に囲まれ、毎日が息苦しい。

ー 掃除や洗濯などの家事が煩わしく感じる。

一度住んでしまえば、例え不満があったとしても引っ越すという選択は容易ではありません。

しかし、ホテルの部屋には、ベッドやデスクなどの家具、バスルームやアメニティ、リネン類、ネット環境まで、生活に必要なもの全てが用意されています。パソコンやスマートホン、いくつかの服と財布があれば、いつだってホテル暮らしはスタートさせることが出来るのです。

季節ごとに「暮らし」を変える

もし、あなたの仕事がパソコンひとつで出来るものだとしたら、季節ごとに拠点を変えるのもいいかもしれません。

ー 夏は湿度の低い北海道で大自然と暮らす。

ー 冬は暖かい沖縄で時間を忘れて暮らす。

別荘を持たずとも、そんな贅沢な生き方を叶えられるのがホテル暮らしです。面倒な契約や荷造り、引っ越しの挨拶は必要ありません。気分ひとつで生活環境を変え、気に入った場所に舞い戻ることも可能でしょう。

必要なのは「宿泊費」だけ

「ホテル暮らし」と聞くと、セレブだけが実現させている「贅沢」のように感じるかもしれません。

では、実際のコストパフォーマンスはどうでしょうか。

賃貸であれば、敷金・礼金・仲介料など初期費用がかかってきます。それに加え、家具の購入や引っ越し代、長年住めば、更新料や退去費用も上乗せされます。電気・ガス・水道などの光熱費、インターネット料金も月々の支払いが必要です。

一方、ホテル暮らしに必要なのは「宿泊費」、たったそれだけです。

今までの暮らしでは得られなかったサービスも充実しています。不在中に受け取ることが出来なかった荷物や郵便物は、コンシェルジュがあなたの代わりに受け取ってくれるでしょう。食事の用意や後片付けの煩わしさからも解放され、洗濯すら自分でする必要はありません。

外出して戻れば、部屋は綺麗に掃除され、一日の終わりには新しいベッドシーツで眠りに就くことが出来ます。ホテルによっては、スポーツジムや温泉も完備されているので、心身共にリフレッシュすることも出来るでしょう。

また、ホテルのバーラウンジは「社交場」でもあります。普段では出会えない方との新しい繋がりを得られるかもしれません。

お金だけでは得られない付加価値が存在するのもホテル暮らしならでは。コストパフォーマンスが高いか低いかは「求めるもの」と「得られるもの」の価値観によって変わってきますが、あなたはどう感じるでしょうか。

ホテルでも住民票は取れる?

ここで、ホテル暮らしの「不安要素」とされるものについても触れておきたいと思います。

まずは、住所の問題。

免許の更新や税金の支払い、携帯電話の契約や旅行の予約、あらゆるものに必要不可欠なのが「住所」。当然、一軒家や賃貸暮らしでは、自宅の住所で住民票を取りますが、ホテル暮らしにおいてはどうなるのでしょうか。

その答えは「ホテルでも住民票は取れる」です。実際にそのホテルに暮らしていれば、法的にも何ら問題はありません。

次に、来客の対応について。

あなたがシングルルームに滞在していたとしたら、数人がくつろげるスペースは無いかもしれません。そんな時には、ホテルのラウンジを利用してみてはいかがでしょうか。多くのホテルには、レストランやバーの他に、ソファやテーブルが並ぶラウンジスペースが用意されています。

最後に、物のない空間に馴染めない場合。

いざ、ホテル暮らしをスタートさせようと決心しても、どうしても捨てられない物があるかもしれません。そういった場合は、レンタルスペースなどのサービスを利用するのも選択肢のひとつ。また、服や靴、バッグなど身の回りのものを買わずに「借りる」というサービスも浸透しつつあります。必要なものを必要な時にだけ借り、スペースを節約することも出来るのです。

大切なものを「持つ」から「預ける」、住居と同じように、必要なものを必要なだけ「借りる」という発想にシフトするのは、究極のシンプルライフではないでしょうか。

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